【失敗談から学ぶ】新規ドメインでメールを「届く」ようにする唯一の道
メール配信を担当されている皆さんの中には、社名変更や新サービスに伴いメール配信用に新規ドメインを用意される方もいらっしゃいますよね。
「新規ドメインで心機一転、たくさん効果的なメールを送るぞ!」
そう意気込んでいる方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。実は、新しく手に入れたばかりのドメインでいきなり大量のメールを送ってしまうと、お客さまにメールが全く届かなくなってしまう「落とし穴」があるんです。
まるで、生まれたばかりの赤ちゃんが、いきなり大人の食事を食べられないのと同じようなものですね。
今回は、皆さんの大切なメールを「届く」ようにするための、新規ドメインにおける唯一の道、「ドメインウォームアップ」についてお話ししていきます。
新規ドメインがいきなり「届かない」理由とは?
新しく取得したドメインは、インターネットの世界ではまるで「生まれたばかりの存在」です。これまでのメール送信の履歴がまったくないため、GoogleなどのIPS(Internet Service Provider)からは
「このドメインはどんなメールを送るんだろう?」
と警戒されています。
(1) 「スパマー(迷惑メール送信事業者)」と間違えられる!?
想像してみてください。突然、見知らぬ人から大量の郵便物が送られてきたら、あなたはどう思いますか?
「迷惑な郵便物だなぁ。もしかして、詐欺かな?」
と警戒しますよね。
メールサービスも同じです。新しいドメインから突然、大量のメールが送られてくると、
「これは迷惑メールを送るスパマー(迷惑メール送信事業者)かもしれない!」
と判断し、お客さまに届く前にメールをブロックしたり、迷惑メールフォルダに振り分けたりしてしまうんです。これが、せっかくのメールがお客さまに届かない大きな原因の一つです。
(2) 「信頼」をゼロから築く必要がある
既存の信頼されたドメインとは違い、新規ドメインにはこれまでの”送信履歴”や”評価”が一切ありません。そのため、ISPに
「このドメインは安全で、お客さまにとって価値のあるメールを送っている」
と認めてもらうための期間が必要になります。この「信頼を徐々に構築していく」プロセスこそが、今回ご紹介する「ドメインウォームアップ」なんです。
「ドメインウォームアップ」って何?なぜ「必須」なの?
ドメインウォームアップとは、新しいドメインを使い始める際に、ごく少量のメールから配信を始め、徐々に送信量を増やしていくことで、メールサービスからの信頼を段階的に獲得していく作業のことです。これは、新規ドメインでメールを「届く」ようにするための、まさに「唯一の道」と言えます。
(1) メールサービスの「学習」を促す
ドメインウォームアップは、メールサービスに皆さんのドメインを「学習」させる期間だと考えてください。
- まずは少量のメールを送信し、迷惑メールと判断されないことを確認します。
- お客さまがメールを開封したり、リンクをクリックしたりといった良い反応(エンゲージメント)を示すことで、メールサービスは「このドメインからのメールは安全で、お客さまに喜ばれているな」と学習します。
この良い学習結果が積み重なることで、徐々にメールサービスの信頼を得られ、より多くのメールを問題なく届けられるようになるのです。
実際に、ある企業様では、新しいECサイトを立ち上げた際、キャンペーン開始に合わせていきなり数万件のメルマガを新しいドメインから一斉送信してしまいました。結果は、ほとんどのメールがお客さまの受信箱に届かず、メールサービスからは「スパム送信元」としてマークされてしまい、その後の正規の業務メールまで届かなくなるという大きなトラブルに発展してしまいました。この失敗は、ドメインウォームアップの重要性を改めて浮き彫りにするものでした。
このステップを飛ばして一気に大量送信してしまうと、メールサービスは皆さんのドメインを危険な送信元だと認識してしまい、その評価を回復させるのに非常に長い時間と労力がかかってしまう可能性があります。
(2) 一般的なウォームアップ方法の進め方
ドメインウォームアップの具体的な進め方は、メール配信サービスやドメインの状況によって多少異なりますが、基本的な考え方は同じです。
ごく少量のメールからスタート
まずは、迷惑メール報告が少なく、開封してくれる可能性が高い、特にアクティブな顧客層を対象に、毎日少量のメール(例:初日は数十通程度)を送信します。
徐々に送信量を増やす
毎日、前日よりも少しずつ送信量を増やしていきます。例えば、数日おきに100通、200通、500通、1000通..。といった形で、段階的に増やしていくのが一般的です。
反応の良いメールを送る
ウォームアップ期間中は、お客さまが「読みたい」「クリックしたい」と感じるような、質の高いコンテンツを送りましょう。良い開封率やクリック率は、メールサービスからの評価を上げるために非常に重要です。
エラー率や迷惑メール報告率を監視
配信ツールやGoogle Postmaster Toolsなどで、エラー率や迷惑メール報告率を常にチェックします。もしこれらの数字が急激に増えた場合は、一旦送信量を減らすなどして、原因を特定し対策を講じる必要があります。
最低でも数週間から数ヶ月
ウォームアップには、少なくとも数週間、場合によっては数ヶ月かかることもあります。焦らず、段階的に信頼を築いていくことが成功の鍵です。
ドメインウォームアップを成功させるための注意点
ドメインウォームアップは、新規ドメインでメールを「届く」ようにするために不可欠なプロセスですが、いくつかの注意点があります。
(1) 自動化ツールに頼りすぎない
最近では、ドメインウォームアップを自動で行うツールもありますが、完全にツール任せにするのは危険な場合があります。なぜなら、予期せぬエラーや迷惑メール報告の増加があった際に、自動ツールでは適切な判断ができない可能性があるからです。最初は手動で慎重に進めるか、専門家のサポートを得ることをおすすめします。
(2) 質の低いリストは使わない
ウォームアップ期間中に、エラーが多いリストや、長い間使われていないリストにメールを送るのは避けましょう。これらのリストは、メールサービスの評価を下げてしまうリスクがあります。まずは、購読を希望したばかりのアドレスや、最近活発にメールを開封している顧客など、反応が良いと予想されるリストから始めるのが賢明です。
(3) 専門家への相談も検討しよう
「ドメインウォームアップ、なんだか大変そう..。」「失敗したらどうしよう」と感じる方もいるかもしれませんね。実際に、このプロセスは専門的な知識と経験が必要な場面もあります。
もし自社での対応に不安がある場合や、確実にウォームアップを成功させたい場合は、専門家へ相談することも有効な手段です。
私たちプリモポストでは、メール送信用ドメインの評価改善を専門とする「ドメインウォームアップサービスの窓口」をご提供しています。お客さまの状況に合わせた最適なウォームアッププランの策定から実行まで、専門家が丁寧にサポートいたします。ゼロからのスタートでも安心してメールが届くよう、しっかりと伴走させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
メール送信用ドメイン評価を改善
– ドメインウォームアップサービスの窓口 –
最後に
新しく取得したドメインでメールマーケティングを始める際には、「ドメインウォームアップ」が避けて通れない、そして「届く」メールを実現するための唯一の道です。
焦って大量送信をしてしまうという失敗を避けるためにも、少量のメールから信頼をコツコツと積み重ねていくプロセスを大切にしてください。この地道な作業が、将来にわたって安定したメール配信を可能にする土台となります。
皆さんの大切なメールが、確実に顧客の受信箱に届き、ビジネスの成果に繋がるよう、私たちプリモポストもいつでもサポートさせていただきます。